お客様からこの様な質問を頂きまして下記の様に回答致しました。参考になりますので是非ご一読をオススメします。

【質問】家具、家電だけでなく身の回り品一式、
すべてそのままの状態です。最小限の食器など備え付けの状態で貸し出す場合と、空にする場合に踏まえるべき相違点などご教示いただけると助かります。

さて、ご質問の件ですがケースバイケースでして既存の家具等があって喜ぶ方も居ますし、全くいらないのでスッからかんにしてくれ、と言う方もいます。これは賃貸、売買共に。

例えばピアノなどは興味ある人にとっては有り難いですが全く音楽に興味がない、または既に立派なピアノを持ってる方にとっては不要なものとなります。

仮に置いて行く場合ですがそれは「設備」と言う考え方に該当します。つまりキッチン、洗面所、トイレ、エアコン等と同じでして壊れたらこちらの負担で直さなければいけません。

ただし、故意に壊したのであれば流石に別ですけど基本的にはそうなります。ですので一点モノとか思い出の品など替えの効かない物はやめておいた方が賢明でしょう。借主負担の家財保険で賄えますが貴方のステキな想い出まではお返し出来ませんので(˚ ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )

さて、賃貸契約で一番困るパターンは賃借人に出て行って欲しい時が来ても相手が合意しなければいつまでも住み続けられてしまう事です。

一聞すると長い間家賃を払ってくれて有り難いわ、と思われますがイザお金が必要になり早期売却したい、自分の娘がお茶の水大学に通うことになったのでその部屋に住まわせたい。

そんな事情でも急に追い出すことは容易ではありません。それぐらい普通賃貸借契約で貸した場合には強い権利を居住者は持ちます。

もちろん心のきれいな人もいてこちらの事情を説明して納得してくれることもあります。それでも無料でって訳にはいきませんよね。引っ越し代や次の物件にかかる費用など一部負担してあげる事が多いです。

仮に退去を望まない方を追い出す場合、立退料の支払いを提案し相手が納得する金額を提示すれば退去してくれる場合があります。

立退料の相場は大体決まってまして家賃の半年分とか一年分とか、なかには要らないよ、って人も居ますのでそれこそケースバイケースです。

話合いで解決しない場合は法廷で会いましょう、となりますがそれでもオーナー側の不利は変わりません。

自分の物件なのにおかしいでしょ?( *`ω´)って気持ちも分かりますが基本的に法律は弱者を守る為にあり、住む所を失う側を厚く保護します。

賃借人が出て行かないので仕方ない、このまま売るかぁ…。

売却するときに賃借人が住んでいる場合、オーナーチェンジと言われる投資用物件扱いになります。つまり購入者は自分で住まう事が出来ない=低金利の住宅ローンが組めないのです。

基本的に住宅ローンは自分で住む為に使います。だから低金利で貸してあげますよ、と言う考え方でして利益追求の為に投資する人に低金利で貸すのはNGなんですね。

だからその時点で大幅に客層が減りますし、利回り6%以上取れてないと投資家も中々手を出してくれません。

煮ても焼いても食えない塩漬け物件の出来上がり〜。になります。それを回避する方法としては定期借家契約(更新のない有期契約)にして賃貸更新をしない選択を取ります。なんだ、簡単じゃないか、ノンノンd( ̄  ̄)そんな事は有りません。

定期借家契約にするデメリットは家賃設定を相場より下げないといけません。またあまり短い期間だと借り手が見付からなかったりします。

普通賃貸借契約は2年更新です。賃借人がちゃんと家賃払って更新料も払っていればその物件がある限りほぼ永遠に住み続ける事が出来ます。

ただし、賃借人が家賃の支払いを度々滞る、毎晩どんちゃん騒ぎで近隣からクレームが入る、いつのまにか入居者が増殖して10人のタコ部屋になっている、反社会的勢力の事務所になっている、など規約違反が見つかれば話は別です。

また競売になりオーナーが変わった場合は6ヶ月以内に退去しないといけませんがこの話は別の機会にします。

上記に説明した通り、賃借人を追い出す事は容易ではありません。でもなんでみんな出て行ってくれないんだろ?そんなにこの部屋を気に入ってくれたのかしら?

ちが〜う、そうじゃないの。

住んでる人がお若い方ならまた直ぐに次の物件が見つかるでしょうが、高齢になった方なんかは次の賃貸物件で審査が受かりづらくなります。

そう、私達は出ていきたくても出ていけないんです。

住んだ当初は働いていたけど今は体を壊して思うような収入が無くなった。定年を迎えて年金で細々暮らしてる、配偶者が亡くなり一馬力で生活してる。など事情が変わるなんて当たり前のことですよね。

長くなりましたが定期借家契約にして期間を定めておけば合法的に退去して頂くことが出来ます。例えば5年間の定期借家契約にすれば5年後に更新する、しないの選択肢が生まれます。

ただし、借りる人にとっては家賃が安いメリットはありますが、更新できないリスクある契約です。難しい所ですがリスクも取って賃料を取るのか、定期借家契約にして多少家賃を下げてでも安全を取るのか、その人の性格や価値観、物件の将来的な使い方によって様々です。

僕なんかは全然裁判やったろうじゃないのψ(`∇´)ψって思いますし、そもそもそうならない様に貸す時にちゃんとガチガチ契約しますけどね。

やり方は色々あるのでまたその時に御指南致します。長くなりましたが売る、貸すいづれにせよお任せ頂ければ悪い様にはしません(笑)

ぜひご検討いただきまたご相談して下さいませ。長文お読み頂き有難う御座いました。

田港 晋

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA