北国は、損だ。とは司馬遼太郎 『峠』の主人公、河合継之助の言葉だ。
東京は毎週物凄い雪ですね。
今回の記録的な積雪はある意味で私の心に重く、重く圧し掛かって来ました。
私の降車する駅は電車とホームの間がビックリするぐらいに隙間が空いてます。
最大で40~50センチは空いてるのではないでしょうか?
ですから降りるときはいつも気合を入れて、慎重に降りてます。
昨日なんて特に雪が積もっていましたから尚更ですよ。
そんな中、私がホームへ降りて間もなくすると「あ”あ”~」
って声が!
振り返ると同年代位の男性が駅とホームの間に落ちてしましました。
雪で足を滑べらせたのでしょう。
こりゃ大変だ!取り敢えずそばに歩み寄りどう助け出そうか考えていると
プルルルル~!そんなとき無常にも発車の合図が鳴り響いた。
「待って、チョット待って!人が落ちてるんです、発車しないで!」
一緒に救助していた男性が運転手に伝えるに行くとその場は沢山の野次馬と私一人に。
何とかしないと、と思い男性に手を差し伸べた時、足元がツルんっ、おーっと、危ない、
雪でツルっツル、こりゃ俺も一緒にこける可能性があるなぁ、と思い
伸ばして来た男性の手をスルーしてしまいました。
その後、男性が自力で体半分上がって来たのを見たので
「これで大丈夫だろぅ」と思いそっとその場を立ち去りました。
物凄い自己嫌悪を背負いながら・・・。
やはり私は偽善者なのかなぁ、と再確認しました。
そんな有事には何も考えず無我夢中で行動できるヒーローだと思っていたのに、
結局は中途半端な自己犠牲しかない、その気がないなら最初から救助に行くなよ、期待をさせるなよ。
雪の中、帰路で人知れず反省会。
振り返るとあのとき私は巻き添えを食らう事だけを恐れ躊躇したのではなかった。
「見知らぬ男性の汚れた手を握りたくない」そんな思いもあった。
俺はなんてクズな奴なんだ、自分が逆の立場で差し伸べた手を引かれたらどう思う?
一生そいつの顔を忘れないだろう、見てるだけで助けない周りの野次馬連中より最悪だ!
もう大それた事はしません。自分に出来るささやかな募金で満足します。
人間にゃ器ってモノがある、無理したところでダメなんですねぇ、ガックシ。
JR SKI SKIのキャッチフレーズが今の私にはお似合いです。