さて表記にあります「境界確定」を簡単にご説明します。自分の土地とお隣さんや道路との境には目に見えない境界線があります。境界を標す物としてコンクリートや石などの境界杭、鋲、プレートなどの金属など数種類あり大抵は矢印が彫ってあるか十字が刻まれてその場所を指し示しています。

境界図仮測量図 SnapCrab_NoName_2016-7-16_19-44-8_No-00

境界確定する為にはお隣さんと直接会って地境を確認し合います。基本的には名義人同士が望ましいのですが委任状で指名あれば代理人でOKです。兄弟姉妹など多数いる場合や高齢で遠方に住んでたらワザワザ現地まで行くのは大変ですよね。

「それでは長男に一任しましょう」とすれば全員で現場まで出張らなくてもOK。(書類に記名押印はしなければいけませんよ。)境界立ち合い作業は家屋調査士が同席して進めていきます。殆どのケースでは揉める事はありません。だって既存の境界杭等あれば地境は昔からソコなんですから。そして法務局に行って地積測量図を取れば記録が残ってるので境界の石が無くなってても概ね分かります。(※測量図が備え付けれられてない土地も多数あります。)

仮に隣人が境界確定しないと言う変人であってもそれは諸刃の剣、自分の土地も地境がどこだか分からないのでデメリットでしかありません。上記の様な一筆の土地(不動産では一つの土地を筆と言う単位で表す、イッピツ、ヒトフデ)であれば境界が無くても売買に際して大した問題ではありません。※裁判など係争中だったら売り辛いので問題ありますが・・・。

困るのは不動産業者が大きな土地を購入して複数に分割、切り売りする場合です。境界確定してないと分割出来ないので事業として成り立ちません。ですので不動産購入申込書(買付け)には条件としてお決まりの文言を入れる事が多いです。

その内容は「売主は本物件引渡し時までに有資格者による土地の境界確定及び確定測量図を買主へ渡すこと」です。

境界確定作業は上記にご説明した通りすぐに出来上がるものではありません。一般的には四つ角に境界がありますので大体4名の立合いが要るのです。更に名義人が複数いれば全員に意思確認をしなければいけません。相続人が見付からない、そもそも連絡が取れない等の理由が重なれば半年~1年掛かる事もあります。

理想を言えば契約日に境界確定が完了しており確定測量図がある状態がパーフェクトです。しかし経験上その状態に仕上がっている方が稀で大体の取引では買主保護のため上記太字の条件を付けての契約となります。

これは引渡し条件ですから境界確定出来なければ契約は成立しません。買主は契約を解約して売主に預け入した手付金の返還を求めれば全額戻って来ます。損害賠償をする約束も出来ますがそれはあまりにも売主さんが可哀想だと思いませんか?物件を売りたくて契約してるのに不可抗力で売れなくなるのですから、余程怠慢があれば別でしょうが売主の責めに帰すべき事が殆どですので弊社はそう言った条件は付さずに白紙解約としています。

ではどんなケースが境界確定が出来ないのか?次回から実例を上げて行きます。

本日もお読み頂き有難うございます。

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